マイクロプラスチックから
身を守るためには・・
最近、「マイクロプラスチック」という
言葉を耳にする機会が増えました。
ペットボトルやレジ袋、食品トレーなど、
私たちの暮らしにはプラスチック製品が
たくさん使われています。
こうしたプラスチックは、紫外線や熱、
摩擦などによって少しずつ劣化し、
やがて目に見えないほど
小さな粒子になることがあります。
それが「マイクロプラスチック」です。
では、こうした小さなプラスチックは、
私たちの体に
どのように入ってくるのでしょうか?
主な入り口は、食べ物、飲み水、
そして空気です。
魚や塩などの食品から検出された例もあれば、
空気中に漂う微細なプラスチックを
呼吸によって取り込む可能性も
指摘されています。
つまり、現代の生活では、
マイクロプラスチックを完全に
避けるのは簡単ではありません。
だからこそ、
「できるだけ取り込まない」ことに加えて、
体に入ったものをきちんと排出できる環境を
整えることにも目を向けてみたいと思います。
体に入ったマイクロプラスチックは
どうなる?
人の便からマイクロプラスチックが
検出された研究があり、
体内に入ったものの一部は便として
排出されることが分かっています。
一方、血管や臓器などから
マイクロプラスチックが
検出されたという報告もあります。
ここでポイントになるのが、
腸と肝臓の間を行き来する
「腸肝循環」という仕組みです。
肝臓は不要な物質を胆汁に混ぜて腸へ送り、
便と一緒に外へ出そうとします。
ところが、
胆汁の一部は腸から再び吸収され、
肝臓へ戻っていきます。
そのとき、胆汁に含まれる物質も
一緒に体内へ戻ってしまう可能性があります。
だからこそ、
腸の中で不要なものをしっかりつかまえ、
便と一緒に外へ送り出すことが
重要だという考え方です。
そこで注目したいのが「食物繊維」
腸の中で不要な物質をつかまえる役割として
注目されているのが、食物繊維です。
中でも興味深いのが「米ぬか」。
米ぬかに含まれる食物繊維やリグニンには、
さまざまな物質を吸着する性質があり、
過去の研究では他の植物性食品よりも
高い吸着力を示した例が紹介されています。
毎日の食事なら、玄米や分づき米、
雑穀などを取り入れる方法があります。
白米をやめてすべて玄米にする
必要はありません。
食べにくい場合は、7分づきや5分づきなど、
自分の体調や好みに合わせて少しずつ
取り入れてみるのもよいでしょう。
濃い緑色の野菜にも注目
もう一つ意識したいのが、
濃い緑色の野菜です。
小松菜、ほうれん草、三つ葉、
モロヘイヤなどには、
クロロフィル(葉緑素)が豊富に
含まれています。
動物実験では、
こうした野菜に含まれる成分が、
特定の環境汚染物質の排出を
助けたという報告もあります。
濃い緑色の野菜は食物繊維や
ビタミン、ミネラルも豊富。
普段の食卓に積極的に取り入れたい食材です。
油の多い食事には、食物繊維を一緒に
もう一つ意識したいのが、
油の多い食事と食物繊維の組み合わせです。
油を消化するときには胆汁が使われます。
胆汁は腸へ出たあと、
その多くが再び吸収されて肝臓へ戻ります。
そのため、油の多い食事をするときは、
野菜や穀物などから食物繊維もしっかり摂る。
そうすることで、腸内の不要な物質を吸着し、
便として外へ出すことを
助けられるのではないかという考え方です。
特別なことではなく、毎日の食卓から
マイクロプラスチック対策というと、
何か特別なことを
しなければいけないように感じます。
でも、考え方を見ていくと、
意外にも昔ながらの日本の食卓と
重なる部分があります。
玄米や分づき米、雑穀。
小松菜やほうれん草などの緑色の野菜。
納豆や味噌、漬物などの発酵食品。
こうした食材をバランスよく取り入れ、
食物繊維をしっかり摂る。
まずは、
そんな身近なところから始めてみるのも
よいのではないでしょうか。
マイクロプラスチックを完全に避けることは、
今の生活では難しいものです。
だからこそ、「入れない」だけではなく、
「きちんと出せる体をつくる」という
視点も大切にしたい。
毎日の食事を少し見直すことが、
その一歩になるかもしれません。
なお、食物繊維や米ぬか、緑色野菜によって、
人体に入ったマイクロプラスチックそのものを
どの程度排出できるのかについては、
まだ十分な研究が
そろっているわけではありません。
今後の研究によって、
マイクロプラスチックと健康との関係が
さらに明らかになることが期待されます。