「熱いお茶が好き」
「熱々のコーヒーをすぐに飲む」
という方は多いのではないでしょうか。
私自身も温かい飲み物が好きですが、
実は飲み物の温度と
食道がんのリスクには関連があることが、
いくつかの研究で報告されています。
熱い飲み物について知っておきたい
ポイントを分かりやすくまとめます。
非常に熱い飲み物を好む人は、
食道がんのリスクが高かった
イギリスで約100万人を対象に
行われた大規模な研究では、
普段飲んでいるお茶やコーヒーなどについて、
「温かい」「熱い」「非常に熱い」といった
好みの温度を調査し、
その後10年以上にわたって
食道がんの発症との関係が調べられました。
その結果、
温かい飲み物を好む人と比べて、
非常に熱い飲み物を好む人では、
一部の食道がんのリスクが
約3倍になっていた
と報告されています。
ただし、これは
「熱い飲み物を飲めば必ずがんになる」
という意味ではありません。
あくまで、
飲み物の温度と食道がんの発症リスクに
関連が見られたという研究結果です。
別の研究では、
実際にお茶の温度を測定して
調査が行われました。
約5万人を対象とした研究では、
60℃以上のお茶を飲んでいた人は、
60℃未満のお茶を飲んでいた人と
比較して、
食道がんのリスクが41%高かった
と報告されています。
また、別の研究でも、
65℃以上の非常に熱い飲み物と
食道がんリスクとの関連が
報告されています。
このことから、
熱いお茶やコーヒーを飲むときは、
熱々の状態ですぐに飲むのではなく、
少し冷ましてから飲むことが
大切だと考えられます。
詳しい仕組みについては、
まだ完全に分かっていません。
一つの可能性として考えられているのが、
熱による食道の粘膜へのダメージです。
非常に熱い飲み物を繰り返し飲むことで、
食道の粘膜が刺激され、
炎症や組織の修復が
繰り返されることがあります。
こうした繰り返しの刺激が、
長期的には細胞の異常につながる
可能性があると考えられています。
ただし、
これはあくまで考えられている
メカニズムの一つであり、
今後さらに研究が必要です。
「冷たい飲み物を飲むと体が冷えて、
がんになりやすくなるのでは?」
そんな話を聞いたことが
あるかもしれません。
しかし、これまでの医学研究では、
冷たい飲み物を飲むことで
がんのリスクが高くなるという
十分な証拠はありません。
少なくとも、
飲み物の温度と食道がんという点では、
冷たい飲み物よりも
非常に熱い飲み物を避けることが
重要と考えられます。
熱いお茶、緑茶、紅茶、
コーヒー、スープなどを飲むときは、
無理に熱々の状態で
飲む必要はありません。
「ちょっと熱いかな」と感じる場合は、
少し時間を置いてから飲む。
これだけでも、
熱による食道への刺激を
減らすことにつながります。
特に、熱い飲み物を
毎日何度も飲む習慣がある方は、
「少し冷ましてから飲む」ことを
意識してみるとよいでしょう。
今回紹介した研究から分かるのは、
非常に熱い飲み物を習慣的に飲むことと、
食道がんのリスク上昇との関連が
報告されているということです。
ポイントをまとめると、
●60~65℃以上の
非常に熱い飲み物には注意する
●熱いお茶やコーヒーは
少し冷ましてから飲む
●冷たい飲み物ががんのリスクを
高めるという十分な証拠はない
●「熱い飲み物=必ずがんになる」
という意味ではない
●飲み物の温度だけでなく、
喫煙や飲酒など他の要因も
食道がんのリスクに関係する
「熱いものは熱いうちに」と言いますが、
熱すぎるものは少し冷ましてから。
毎日の小さな習慣として、
飲み物の温度を
意識してみるのもよさそうです。