■ 1. 痩せている=健康 ではない理由
日本人は見た目が細くても、筋肉の中に脂肪が入り込む「脂肪筋(筋内脂肪・筋間脂肪)」が多い ことがわかっています。
筋肉が“霜降り”のようになった状態で、健康リスクが高まります。
■ 2. 脂肪筋が引き起こす問題
脂肪筋は 内臓脂肪と同じほど有害 で、以下のようなリスクを高めます。
・インスリン抵抗性の悪化 → 血糖値が下がりにくくなる
・2型糖尿病の発症
・高血圧・高血糖・脂質代謝異常(メタボ)
・動脈硬化・心臓病リスクの上昇
・筋力低下・体力低下
・サルコペニア(筋肉減少症)につながる
高齢者では特に、筋肉の脂肪蓄積が寝たきり・骨折リスクの増加へ直結します。
■ 3. なぜ日本人は脂肪筋になりやすいのか
・体質的に皮下脂肪として蓄えられる量が少ない
・そのため、BMIが低くても、脂肪が内臓や筋肉の中に溜まりやすい
・食生活の欧米化、運動不足も拍車をかける
WHOも「アジア人はBMI25から肥満判定でよい」と指摘。
痩せていても“代謝異常”が多いのが日本人の特徴。
■ 4. 研究データの例
順天堂大学の研究:
・BMI23〜25(標準〜やや高め)でも、
代謝異常がある人は 筋肉の糖取り込み能力が20%低下。
高脂肪食の研究:
・たった3日の高脂肪食で脂肪筋が増えるケースも。
つまり、軽度の太りや痩せではなく、筋肉の質が問題。
■ 5. 脂肪筋を改善するには?(結論:運動+食事)
● 有酸素運動
・筋肉に溜まった脂肪をエネルギーとして燃やす
・ミトコンドリアが増え脂肪燃焼が進む
● 筋力トレーニング
・筋肉量増加 → 基礎代謝アップ
・寝ている間も脂肪が燃えやすい体に
研究データでは:
・食事療法のみ:筋肉内脂肪は減らない
・運動+食事療法:筋肉内脂肪が20%減少、インスリン抵抗性が57%改善
■ 6. 今日からできる対策
・厚労省推奨「プラス10」=今より 1日10分多く動く
・こまめに歩く、階段を使う
・週数回の運動+自宅での軽い筋トレ
・脂質の多い食事を控える
特に痩せ型女性は血糖代謝異常が起きやすく、「隠れ脂肪」「脂肪筋」への注意が重要。
■ まとめ
・痩せていても脂肪筋があると不健康
・脂肪筋は糖尿病・メタボ・心血管病・筋力低下など多くのリスクに直結
・日本人は体質的に脂肪筋になりやすい
・改善には 有酸素+筋トレ+食事改善 が必須
体重の数字より“筋肉の質”を重視しましょう。