1. ストレスに強い人の共通点:主観的コントロール感
心理学では「自分の行動次第で望む結果を引き起こせる」と信じる感覚を
主観的コントロール感(Perceived Control) と呼ぶ。
・コントロール感が高いほど、
→ ストレスに強く、健康状態も良好。
・自分ではどうにもできないことを気にしない人はストレスを感じにくい。
・例:松井秀喜選手、イチロー選手も「自分でコントロールできないことには関心を向けない」と語っている。
2. 2025年報告の大規模研究
アメリカで、中年〜高齢者1700人以上を対象に10年追跡した調査。
主な結果
・コントロール感が高い日ほど、
ストレスを解消できる確率が1.66倍に上昇。
・ストレスの種類(人間関係・仕事など)に関わらず一貫して効果あり。
・10年後には、
ストレス解決率が1.89倍(89%向上) に上昇していた。
→ 年齢を重ねるほど、経験によりコントロール感の効果がさらに高まる。
3. ストレスを減らすための実践的な方法
① 優先順位をつける
・本当に必要なことから着手する。
・重要度の低いことは思い切って手放す。
② 大きな問題は小さく分解する
・大きな課題は小さなタスクに分ける。
・小さな「できた!」の積み重ねがコントロール感を育てる。
③ 時間管理(見える化)
・やるべきことを書き出し、時間を区切る。
・「この時間以外はやらなくていい」と自分に許可を出す。
・進捗が見えると自己効力感が上がり、悪循環を断てる。
④ 他人に頼る
・仕事や作業を委任する。
・信頼できる人に相談することで心理的な負担が減る。
⑤ 認知的リフレーミング
・物事の捉え方を意図的に変える。
・コントロールできる面に焦点を当てることでイライラや不安を減らす。
4. コントロール感が人生に与える影響
・小さなイライラや落ち込みを放置すると、
→ メンタル不調や慢性疾患のリスクが上昇。
・ストレスを適切に解消できる人ほど、
→ 長期的な健康リスクが減り、寿命にも良い影響。
・「自分の人生を自分が握っている感覚」が幸福感の上昇につながる。
5. 最後に
・「自分がコントロールできる部分はどこか?」を常に考える習慣が重要。
・その感覚を持つだけで心の安心感が大きく高まり、人生全体の質が向上する。