― ポビドンヨードの長期使用が招く喉トラブルと、本当に整えるケア ―

2025年12月16日 16:02
カテゴリ:

多くの中高年が毎日使っているうがい薬の中でも、
慢性的な喉・鼻の不調と関係しやすいのはポビドンヨード系うがい薬である。

アズレンなどの抗炎症・粘膜保護系うがい薬とは性質が異なり、
ポビドンヨードは非常に強い殺菌作用を持つ。

① ポビドンヨードが引き起こしやすい悪循環

ポビドンヨードはウイルスや細菌を短時間で殺菌できる一方で、

・善玉菌・悪玉菌を区別せず除去

・口腔・咽頭の常在菌バランスを崩す

・粘膜を乾燥・刺激しやすくする

その結果、

一時的にスッキリ → 数時間~数日後に再び不調 → さらに使う
という悪循環に陥りやすい。

特に50代以降では免疫力と粘膜の回復力が低下しやすく、
症状が慢性化しやすいという落とし穴がある。

② 「真面目なケア」が逆効果になる理由

毎日欠かさずポビドンヨードでうがいをしている人ほど、

・喉の違和感

・痰が絡む

・鼻詰まり

・口臭

が長引くことがある。

これは
守ってくれる菌まで洗い流し、粘膜の自然なバリアを壊している
状態に近い。

例えるなら、
「雑草を抜くために土を何度も耕し、かえって雑草が増える」ようなもの。

③ アズレンとの決定的な違い

・ポビドンヨード
 → 殺菌目的、短期使用向け

・アズレン
 → 抗炎症・粘膜修復、長期使用可

アズレンは常在菌を大量に殺さず、
医療現場でも慢性咽頭炎や口内炎に長く使われる。

したがって、
「うがい薬が悪い」のではなく
「ポビドンヨードの長期・習慣使用」が問題である。

④ 環境を立て直す選択肢:塩水うがい

慢性的な不調には、
殺菌で抑え込むより環境を整えるケアが重要。

塩水うがいには

1.浸透圧作用
 → 細菌の増殖を穏やかに抑制

2.消炎・むくみ軽減作用
 → 粘膜の腫れ・違和感を和らげる

3.常在菌バランスを保つ
 → 善玉菌を残しやすい

という特徴があり、
粘膜本来の回復力を引き出す。

⑤ 正しい塩水うがいの基本

・水150ml

・塩 小さじ1/4

・ぬるま湯

・1日3回(朝・食後30分・就寝前)

刺激が少なく、
ポビドンヨードを毎日使っていた人ほど効果を実感しやすい。

⑥ まとめ

・急性期・感染が疑われる時
 → ポビドンヨードを短期間

・慢性的な喉・鼻の不調
 → アズレン or 塩水

・毎日の習慣
 → 刺激の少ない方法

喉や鼻の健康は
「強く殺す」より「静かに整える」ことで守られる。

記事一覧を見る