① 気温低下と免疫力低下の医学的理由
● 気温15℃以下で起こること
・寒さ+暖房使用により空気が乾燥
・湿度低下により
・ウイルスが空気中に長時間漂いやすくなる
・鼻・喉の粘膜が乾燥し、防御力が低下
・粘膜の防御機構(線毛運動・粘液排出)が弱まる
● 気温10℃以下でさらに悪化
・寒さで血管が収縮し、鼻粘膜の血流が低下
・粘膜を作る水分が不足し、ウイルス侵入を防げなくなる
・粘膜免疫の要であるIgA抗体が減少
・白血球の産生(造血機能)も低下 → 免疫力全体が下がる
② ウイルス側の条件(インフルエンザが増える環境)
・低温・低湿度で増殖しやすい
・特に
・気温10℃以下
・湿度40%以下
で空気中に長く漂い、感染リスクが上昇
③ インフルエンザ・風邪を防ぐ「4つの対策」
【対策①】室内湿度を40〜60%に保つ
・加湿器を使用
・乾燥 → ウイルス増殖
・湿度過多(60%超) → カビ増殖
→ 40〜60%が最適
【対策②】深部体温(お腹の中)を温める
・手足だけでなく体の中心(胸・腹部)を温める
・理由:
・大動脈があり、温めると全身の血流が改善
・免疫細胞が体内を巡りやすくなる
・具体例:
・カイロは腹部や内ポケットに
・寝る時は「敷き毛布+体+掛け布団」
・湯たんぽは足元ではなくお腹付近
【対策③】免疫を支える栄養素を摂る
① ビタミンC
・粘膜維持・白血球の働きを助ける
・冬の果物(みかん・りんご)
② 亜鉛
・免疫細胞の増殖に必須
・卵・大豆・牛肉・牡蠣など
③ 口腔内乳酸菌(KT-11)
・口腔粘膜を強化
・粘膜免疫が整い、風邪を引きにくくなる
・口臭・歯周病予防にも関与
④ オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)
・炎症を抑え、免疫の過剰反応を防ぐ
・青魚(サバ・イワシなど)
【対策④】帰宅後すぐに鼻を温める
・蒸しタオル・入浴で鼻周囲を温める
・血流改善 → 粘膜修復を助ける
※エビデンスは限定的だが理論的に有効
④ 補足:冬のメンタル低下について
・日照時間減少 → セロトニン低下 → 気分が落ち込みやすい
・北国で「冬季うつ」が多いのも同様の理由
・自然に触れる・光を浴びることが重要
結論(要点まとめ)
・寒さ+乾燥=免疫低下
・防ぐ鍵は
湿度管理・体温管理・栄養・粘膜ケア
・正しい知識を持ち、日常で実践することが最大の予防策