気温低下による免疫力低下の仕組みと、インフルエンザ・風邪を予防する「4つの対策」

2025年12月15日 11:42
カテゴリ: 免疫・感染症

① 気温低下と免疫力低下の医学的理由
● 気温15℃以下で起こること

・寒さ+暖房使用により空気が乾燥

・湿度低下により

 ・ウイルスが空気中に長時間漂いやすくなる

 ・鼻・喉の粘膜が乾燥し、防御力が低下

・粘膜の防御機構(線毛運動・粘液排出)が弱まる

● 気温10℃以下でさらに悪化

・寒さで血管が収縮し、鼻粘膜の血流が低下

・粘膜を作る水分が不足し、ウイルス侵入を防げなくなる

・粘膜免疫の要であるIgA抗体が減少

・白血球の産生(造血機能)も低下 → 免疫力全体が下がる

② ウイルス側の条件(インフルエンザが増える環境)

・低温・低湿度で増殖しやすい

・特に

 ・気温10℃以下

 ・湿度40%以下
  で空気中に長く漂い、感染リスクが上昇

③ インフルエンザ・風邪を防ぐ「4つの対策」
【対策①】室内湿度を40〜60%に保つ

・加湿器を使用

・乾燥 → ウイルス増殖

・湿度過多(60%超) → カビ増殖
 → 40〜60%が最適

【対策②】深部体温(お腹の中)を温める

・手足だけでなく体の中心(胸・腹部)を温める

・理由:

 ・大動脈があり、温めると全身の血流が改善

 ・免疫細胞が体内を巡りやすくなる

・具体例:

 ・カイロは腹部や内ポケットに

 ・寝る時は「敷き毛布+体+掛け布団」

 ・湯たんぽは足元ではなくお腹付近

【対策③】免疫を支える栄養素を摂る

① ビタミンC

・粘膜維持・白血球の働きを助ける

・冬の果物(みかん・りんご)

② 亜鉛

・免疫細胞の増殖に必須

・卵・大豆・牛肉・牡蠣など

③ 口腔内乳酸菌(KT-11)

・口腔粘膜を強化

・粘膜免疫が整い、風邪を引きにくくなる

・口臭・歯周病予防にも関与

④ オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)

・炎症を抑え、免疫の過剰反応を防ぐ

・青魚(サバ・イワシなど)

【対策④】帰宅後すぐに鼻を温める

・蒸しタオル・入浴で鼻周囲を温める

・血流改善 → 粘膜修復を助ける
※エビデンスは限定的だが理論的に有効

④ 補足:冬のメンタル低下について

・日照時間減少 → セロトニン低下 → 気分が落ち込みやすい

・北国で「冬季うつ」が多いのも同様の理由

・自然に触れる・光を浴びることが重要

結論(要点まとめ)

・寒さ+乾燥=免疫低下

・防ぐ鍵は
 湿度管理・体温管理・栄養・粘膜ケア

・正しい知識を持ち、日常で実践することが最大の予防策

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