血圧は“いつ”“どこで”“どうやって”測るかによって大きく変わります。正しく測れなければ、高血圧を見逃したり、逆に必要のない治療を受けてしまう危険があります。
■血圧測定が重要な理由
上腕式血圧計は 測り方によって最大30mmHg以上も誤差が出ることがあります。
研究では血圧を不正確にする要因が29個あり、27個は特に影響が大きいと言われています。
・高く出る → 不必要な薬の処方・副作用のリスク
・低く出る → 高血圧の見逃し → 心筋梗塞・脳卒中などの重大リスク増大
だからこそ 正しい測定方法 がとても大切です。
■よくある血圧測定ミス 8選
1. 部屋が寒い
・気温18℃以下では血管が収縮し血圧が上昇しやすい。
2. 姿勢が悪い
・足を組む
・浅く座る
・寝たまま測る
→ 心臓へ血液が戻りにくくなり血圧が上がる。
3. 腕の位置が心臓の高さとずれている
・低い位置 → 高く測れる
・高い位置 → 低く測れる
4. カフの巻き方が間違っている
・服の上から巻く
・肘の中心に合わせる
→ 圧力が正しく伝わらず誤差が大きくなる。
5. トイレを我慢して測る
・膀胱の圧迫や緊張で血圧が高くなる。
6. カフェイン・喫煙・飲酒直後に測る
・血管や自律神経が刺激され、血圧が乱高下する。
7. 食後すぐに測る
・消化管に血液が集まり、腕の血流が減って低く出る(食後低血圧)。
8. 動いた直後に測る
・運動や家事後は心拍が上昇しており、血圧も一時的に高くなる。
■正しい血圧測定の8つのポイント
1. 室温は18〜20℃を保つ
WHOも推奨。室温が低いと血圧は有意に上昇する。
2. 椅子に深く座り、足は組まない
背もたれに寄りかかり、両足は床へ。
座位と寝位では血圧が変わることが研究で明らか。
3. 腕はテーブルに置き、心臓の高さに合わせる
最も重要なポイントの1つ。高さが違うと誤差が大きい。
4. 肘から上2〜3cmの素肌にカフを巻く
服の上から測らない。袖まくりで腕が圧迫されないよう注意。
5. 測る前に必ずトイレを済ませる
我慢すると明らかに血圧が高くなることが研究で確認されている。
6. カフェイン・喫煙・飲酒直後は避ける
最低30分〜1時間は空ける。
飲酒は12時間以上影響が残ることもある。
7. 食後直後は避け、できれば1~2時間後
食後低血圧で実際より低く測れる。
8. 測定前に最低1〜2分、理想は5分安静
会話・動作だけでも3〜6mmHg上昇する。
■なぜ正しく測る必要があるのか?
誤った測り方は、健康管理の判断を大きく狂わせます。
・高く出る → 不必要な薬・副作用・費用の負担
・低く出る → 高血圧の見逃し → 脳卒中や心筋梗塞のリスク増大
正しい測定は、あなたの健康状態を正確に捉え、
生活改善や治療の必要性を判断するための 最も信頼できるデータ です。
■まとめ
<やってはいけない8つのミス>
寒い部屋/姿勢不良/腕の高さ違い/カフの巻き方間違い/トイレ我慢/嗜好品直後/食後すぐ/動いた直後
<正しく測る8つのポイント>
室温調整/姿勢を整える/腕は心臓の高さ/カフは素肌に正しく巻く/トイレ後/嗜好品回避/食後は時間を空ける/安静後に測る
正しい測り方を身につければ、あなたの命や生活の質を守ることにつながります。