🔹 1. 匂いの異変は“早期サイン”かもしれない
・アルツハイマー病では物忘れより先に嗅覚の低下が現れることが多い。
・患者の約85%が嗅覚の低下や喪失を経験しているという報告もある。
・つまり、「匂いがわかりづらくなる」ことが最初の異変のひとつとされ、注目されている。
🔹 2. 脳内の「嗅覚回路」に早くから変化が起きる
・匂いを感じる脳の部分「嗅球(きゅうきゅう)」と、そこを調節する「青斑核(せいはんかく)」の間をつなぐ神経回路が、アルツハイマー初期に損なわれる。
・これはドイツの研究(2025年)でも確認されている。
🔹 3. 原因のひとつは“免疫細胞の暴走”
・脳の免疫細胞「ミクログリア」が、本来必要な嗅覚の神経を間違って攻撃・除去してしまうことがわかってきた。
・これは「細胞からの誤ったサイン」によって起こると考えられている。
🔹 4. 記憶障害よりかなり早く始まる
・嗅覚の神経回路の変化は生後2~3ヶ月のマウスで早くも確認されており、記憶に関わる脳のダメージよりも数ヶ月~半年以上も早い段階。
🔹 5. 嗅覚検査で早期発見の可能性
・バラやレモンの香りを判別するテストなど、嗅覚を使ったスクリーニングが将来的に有効と期待されている。
・実際、軽度認知障害(MCI)などの段階で、脳内の炎症反応も確認されている。
🔹 6. 視覚や眼の検査も早期発見に有望
・目の網膜の神経細胞を見ることで、アルツハイマーの早期兆候を確認できる可能性もあり、研究が進んでいる。
🔹 7. 嗅覚への意識が予防・対策に役立つ
・匂いの刺激(例:ローズマリーなど)を定期的に取り入れることも、脳の活性化や予防に良いとされている。
・嗅覚の異変を早くキャッチすることで、生活習慣の見直しや予防的介入が可能になる。
📝 まとめ
アルツハイマー病は、記憶障害が出る前に「匂いの感じ方」に異変が現れることが多い。
そのため、日頃から匂いへの敏感さを意識し、早期に気づくことが予防や対策のカギになる。