■ 卵とコレステロールの最新科学的知見まとめ

2025年08月26日 12:03
カテゴリ: 食品とリスク

● 背景

・昔から「卵はコレステロールが高く、心臓病のリスクを高める」と言われてきた。

・特に高齢者世代は「卵は1日1個まで」と信じている人が多い。

● 新しい研究(2025年・オーストラリア研究チーム)

・卵の摂取とLDLコレステロール(悪玉)の関係を調査。

・被験者に3つの異なる食事を体験してもらった。

  1.卵多め・低飽和脂肪食
  → 卵を1日2個(コレステロール600mg)食べるが、飽和脂肪は控えめ(全カロリーの6%)

  2.卵なし・高飽和脂肪食
  → 卵は食べないが、バターや肉など飽和脂肪は多め(全カロリーの12%)、コレステロールは300mg

  3.高コレステロール・高飽和脂肪食
  → 飽和脂肪も多め(12%)、コレステロールも多め(600mg)だが、卵は週1個だけ

● 主な結果

・卵を毎日2個食べても、LDLコレステロール値はむしろ低下。

・コレステロールよりも、飽和脂肪酸の摂取がLDLを上げる主因。

・卵そのものは心臓病リスクに大きく関係しないと考えられる。

● ただし注意点も

・卵でLDLが減っても、悪玉の“小型LDL”が増える傾向があった。

・小型LDLは動脈硬化のリスクが高く、必ずしも「LDL値が低ければ安心」とは言えない。

● 真のリスク要因

・精製された糖質(白米・白パン・砂糖・お菓子など)が小型LDLを増やし、心疾患リスクを上げる。

・過去の誤解(脂肪=悪)で炭水化物の摂取が増え、肥満・心臓病が増加した歴史も。

● 食事のポイント

・卵は悪者ではないが、毎日食べ続けるのではなく“バランスよく”摂るのが大切。

・ベーコンや加工肉の問題は脂肪よりも添加物(ナトリウム・発色剤など)。

・良質な脂肪(魚・ナッツ・オリーブオイルなど)を優先すべき。

・極端な脂肪制限より、糖質のコントロールが重要。

■ 結論

・卵は適量なら健康に問題ない。

・LDL値だけを見て薬に頼るより、食事内容(特に糖質・脂質の質)に注目すべき。

・「一つの食品がすべて悪い」と決めつけるのではなく、全体的な食生活のバランスが大切。

記事一覧を見る