● 背景
・昔から「卵はコレステロールが高く、心臓病のリスクを高める」と言われてきた。
・特に高齢者世代は「卵は1日1個まで」と信じている人が多い。
● 新しい研究(2025年・オーストラリア研究チーム)
・卵の摂取とLDLコレステロール(悪玉)の関係を調査。
・被験者に3つの異なる食事を体験してもらった。
1.卵多め・低飽和脂肪食
→ 卵を1日2個(コレステロール600mg)食べるが、飽和脂肪は控えめ(全カロリーの6%)
2.卵なし・高飽和脂肪食
→ 卵は食べないが、バターや肉など飽和脂肪は多め(全カロリーの12%)、コレステロールは300mg
3.高コレステロール・高飽和脂肪食
→ 飽和脂肪も多め(12%)、コレステロールも多め(600mg)だが、卵は週1個だけ
● 主な結果
・卵を毎日2個食べても、LDLコレステロール値はむしろ低下。
・コレステロールよりも、飽和脂肪酸の摂取がLDLを上げる主因。
・卵そのものは心臓病リスクに大きく関係しないと考えられる。
● ただし注意点も
・卵でLDLが減っても、悪玉の“小型LDL”が増える傾向があった。
・小型LDLは動脈硬化のリスクが高く、必ずしも「LDL値が低ければ安心」とは言えない。
● 真のリスク要因
・精製された糖質(白米・白パン・砂糖・お菓子など)が小型LDLを増やし、心疾患リスクを上げる。
・過去の誤解(脂肪=悪)で炭水化物の摂取が増え、肥満・心臓病が増加した歴史も。
● 食事のポイント
・卵は悪者ではないが、毎日食べ続けるのではなく“バランスよく”摂るのが大切。
・ベーコンや加工肉の問題は脂肪よりも添加物(ナトリウム・発色剤など)。
・良質な脂肪(魚・ナッツ・オリーブオイルなど)を優先すべき。
・極端な脂肪制限より、糖質のコントロールが重要。
■ 結論
・卵は適量なら健康に問題ない。
・LDL値だけを見て薬に頼るより、食事内容(特に糖質・脂質の質)に注目すべき。
・「一つの食品がすべて悪い」と決めつけるのではなく、全体的な食生活のバランスが大切。