ロキソニンは即効性があり、多くの人が使う代表的な痛み止め(NSAIDs=非ステロイド性抗炎症薬)です。しかし、毎日飲み続けることで身体に悪影響を及ぼすことがあります。使用には注意が必要です。
■ 毎日飲み続けた場合に起こりうる6つのリスク
1.腎臓へのダメージ
・プロスタグランジンの抑制により、腎臓の血流が悪化。
・腎機能が落ちている人では急性腎不全の原因に。
・貼り薬(ロコアテープなど)も注意が必要。
2.胃腸障害・消化管出血
・胃粘膜保護作用もプロスタグランジンに依存しているため、胃潰瘍や出血のリスク。
・食後服用でもリスクあり。
・胃薬(PPIなど)の併用が必要になることもあるが、それ自体が別のデメリット。
3.高血圧の悪化
・血管収縮作用により血圧が上昇することがある。
・高血圧治療薬の効果を妨げることも(特にARBやACE阻害薬)。
4.喘息の悪化(アスピリン喘息)
・NSAIDsによって喘息が誘発・悪化する人が一定数いる。
・特にアスピリン喘息の素因がある人は注意。
5.皮膚症状
・蕁麻疹、血管性浮腫、紅斑、水疱などの皮膚症状が出る可能性あり。
・貼り薬でもかぶれなどの副作用がある。
6.薬剤誘発性頭痛
・長期使用によって、かえって頭痛がひどくなる(薬物乱用頭痛)。
・特に月に15日以上、3か月以上使用している場合は要注意。
■ 飲み方の基本
・頓用(痛い時だけ飲む)が基本。
・毎日定時で飲むのは、よほどの理由がある場合に限る。
・特に腎臓や胃腸に不安がある人、高血圧や喘息の人は医師と相談が必要。
■ ロキソニン以外の選択肢
・アセトアミノフェン(カロナールなど):NSAIDsと違い、腎臓や胃腸への影響が比較的少ない。
・胃を守る薬との併用も一案。
ロキソニンは便利な薬だが、毎日飲むことにはリスクがある。自己判断で連用せず、「必要な時だけ」使うのが原則。