自己免疫疾患は多くの種類があり、その数は80種類以上とも言われています。大きく分けて以下の2つのタイプに分類されます。
→ 身体の複数の臓器や組織に影響を及ぼすタイプ。
・全身性エリテマトーデス(SLE):発熱、関節痛、皮膚の紅斑、腎障害、抗核抗体陽性など
・シェーグレン症候群:目・口の乾燥(ドライアイ・ドライマウス)、関節痛
・全身性強皮症(硬化症):皮膚が硬くなる、手指の色変化(レイノー現象)
・多発性筋炎・皮膚筋炎:筋肉の炎症と筋力低下、皮膚症状(発疹など)
・混合性結合組織病(MCTD):SLE、強皮症、多発性筋炎の症状を併せ持つ
→ 特定の臓器・器官に限って症状が出るタイプ。
・1型糖尿病【攻撃対象/膵臓のβ細胞】:高血糖、多尿、体重減少
・橋本病(慢性甲状腺炎)【攻撃対象/甲状腺】:甲状腺機能低下、寒がり、むくみ
・バセドウ病(グレーブス病)【攻撃対象/甲状腺】:甲状腺機能亢進、動悸、発汗、体重減少
・重症筋無力症【攻撃対象/神経と筋肉の接合部】:筋力低下、まぶたが下がる(眼瞼下垂)
・多発性硬化症(MS)【攻撃対象/中枢神経】:視力障害、しびれ、運動障害
・潰瘍性大腸炎・クローン病【攻撃対象/消化管】:腹痛、下痢、血便
・尋常性白斑【攻撃対象/皮膚のメラノサイト】:皮膚の色素が抜ける(白い斑点)
・円形脱毛症【攻撃対象/毛根】:突然の脱毛、再発することもある
① オメガ3脂肪酸(青魚:サバ、サーモンなど)
✅ なぜ良いのか?
・EPAやDHAは、炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6など)を抑制。
・炎症に関わる物質「アラキドン酸(オメガ6系)」の代わりに使われ、抗炎症性のプロスタグランジンやレゾルビンを生成。
・自己免疫疾患(リウマチ、SLE、IBDなど)の症状改善に関する研究多数。
② 全粒穀物(玄米、全粒パンなど)
✅ なぜ良いのか?
・食物繊維が豊富 → 腸内細菌のエサになり、短鎖脂肪酸(酪酸など)を生成 → 免疫を整えるTreg細胞(制御性T細胞)を活性化。
・精製穀物に比べて血糖値の上昇が緩やかで、炎症ホルモンを抑える。
③ 果物・野菜
✅ なぜ良いのか?
・豊富なビタミンC、E、ポリフェノール、カロテノイドが活性酸素を除去 → 酸化ストレスによる免疫異常を抑える。
・特にケールやブロッコリーは「スルフォラファン」を含み、解毒酵素や抗酸化酵素の発現を促進。
④ プロバイオティクス(ヨーグルト、納豆、キムチなど)
✅ なぜ良いのか?
・腸の中には免疫細胞の約70%が存在。腸内環境を整えることが免疫バランスに直結。
・善玉菌が腸のバリア機能を高めることで、アレルゲンや自己抗原の侵入をブロック。
・IgA抗体の分泌を促進し、過剰な免疫応答を抑える。
⑤ ナッツ・種子(アーモンド、チアシード、くるみなど)
✅ なぜ良いのか?
・オメガ3系脂肪酸、ビタミンE、マグネシウムが豊富。
・ビタミンE:脂質の酸化を防ぎ、細胞膜の安定化に寄与。
・ミネラルや植物ステロールが炎症を抑えるホルモン様物質の材料になる。
⑥ ニンニク
✅ なぜ良いのか?
・有効成分「アリシン」が抗菌・抗ウイルス作用を持つ。
・アリシンはマクロファージやNK細胞を活性化し、炎症性サイトカインを調整。
・一部研究で自己免疫疾患の症状緩和作用が報告されている。
⑦ ショウガ
✅ なぜ良いのか?
・ジンゲロールやショウガオール:炎症性酵素(COX、LOX)を阻害。
・関節リウマチや月経痛に対する抗炎症効果が臨床研究で証明。
・免疫細胞の過剰活性を抑える方向に働く。
⑧ ベリー類(ブルーベリー、イチゴなど)
✅ なぜ良いのか?
・アントシアニン・レスベラトロール:細胞の炎症反応を抑えるポリフェノール。
・さらに脳内炎症(うつ、不安)の緩和にもつながる。
・一部ベリーは腸内の善玉菌を増やす作用もある。
⑨ 海藻(のり、ワカメなど)
✅ なぜ良いのか?
・フコイダンやアルギン酸:腸内環境改善や免疫調節効果。
・ミネラル(特に亜鉛、マグネシウム)が免疫に必要不可欠。
・ただし、昆布のヨウ素過剰は橋本病などを悪化させる可能性があるため注意。
⑩ ビタミンDが豊富な食材(魚、卵黄、キクラゲ)
✅ なぜ良いのか?
・ビタミンDは免疫の調節役(ブレーキ役)。
・欠乏すると自己免疫疾患(多発性硬化症、1型糖尿病、リウマチなど)発症リスクが上昇。
・T細胞の活性調整、炎症抑制サイトカイン(IL-10)誘導にも関与。