健康を維持し、病気を防ぐために
多くの人がウォーキングやジムなどの
運動をしています。
ただし
「どのくらいの時間運動すればよいのか」
「どれくらい続ければ効果が出るのか」
という点は、実はあまり正確に
理解されていないことが多いです。
一般的には
運動による がん予防効果 は
数週間〜数ヶ月、
あるいは数年の継続的な運動によって
徐々に体質が変わることで
現れると考えられてきました。
しかし最近の研究では、
短時間の運動でも体の中に大きな変化が
起こる可能性が示されています。
10分間の運動で血液に変化が起こる
イギリスの大学の研究では
50〜78歳の男女
(肥満または過体重の人)を
対象に調査が行われました。
被験者は
●一晩絶食
●その後、自転車で約10分の高強度運動
を行いました。
そして運動の 前後で血液を分析しました。
その結果
運動直後の血液では
●約250種類のタンパク質を分析したところ
●13種類の重要なタンパク質が増加
していました。
特に増えていたものは
●インターロイキン6(IL-6)
●免疫や代謝を調節するシグナル物質
●血流や血管の働きに関わる因子
●細胞の異常増殖を抑える因子
●細胞の自然死(アポトーシス)を促す因子
などです。
運動後の血液はがん細胞に影響する可能性
研究ではさらに
●運動前の血液
●運動後の血液
をそれぞれ 大腸がん細胞に
作用させる実験も行いました。
その結果
運動後の血液に触れたがん細胞では
●DNAの損傷が増加
●DNA修復反応が活性化
することが確認されました。
つまり
運動によって血液中に増えた成分が
がん細胞の働きに影響する可能性が
示されたのです。
運動は遺伝子レベルにも影響
さらに解析すると
運動後の血液に触れた細胞では
1364個の遺伝子の働きが変化していました。
特に変化していたのは
●細胞増殖を抑える遺伝子
●ミトコンドリア機能を高める遺伝子
●DNA修復に関わる遺伝子
などです。
つまり運動は
血液を介して細胞や遺伝子レベルにも
影響する可能性があります。
強い運動で「マイオカイン」が分泌される
全力に近い運動をすると
筋肉から
マイオカイン
(運動で分泌される生理活性物質)
が多く分泌されます。
これは
●免疫
●代謝
●炎症
●細胞機能
などに影響すると考えられています。
この物質は
●軽い散歩
●ゆっくりした運動
ではあまり増えないとされています。
まとめ
この研究から示唆されることは
●長時間の運動だけが健康効果を
生むわけではない
●10分程度の高強度運動でも体内に
変化が起こる可能性がある
という点です。
運動は
●体重を減らすだけでなく
●血液成分
●免疫
●細胞機能
などに影響する可能性があります。