短時間の運動でも「がん予防効果」がある可能性

2026年03月07日 11:13
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健康を維持し、病気を防ぐために
多くの人がウォーキングやジムなどの運動をしています。

ただし
「どのくらいの時間運動すればよいのか」
「どれくらい続ければ効果が出るのか」
という点は、実はあまり正確に理解されていないことが多いです。

一般的には
運動による がん予防効果 は
数週間〜数ヶ月、あるいは数年の継続的な運動によって
徐々に体質が変わることで現れると考えられてきました。

しかし最近の研究では、
短時間の運動でも体の中に大きな変化が起こる可能性が示されています。

10分間の運動で血液に変化が起こる

イギリスの大学の研究では
50〜78歳の男女(肥満または過体重の人)を対象に調査が行われました。

被験者は

・一晩絶食

・その後、自転車で約10分の高強度運動

を行いました。

そして運動の 前後で血液を分析しました。

その結果
運動直後の血液では

・約250種類のタンパク質を分析したところ

・13種類の重要なタンパク質が増加

していました。

特に増えていたものは

・インターロイキン6(IL-6)

・免疫や代謝を調節するシグナル物質

・血流や血管の働きに関わる因子

・細胞の異常増殖を抑える因子

・細胞の自然死(アポトーシス)を促す因子

などです。

運動後の血液はがん細胞に影響する可能性

研究ではさらに

・運動前の血液

・運動後の血液

をそれぞれ 大腸がん細胞に作用させる実験も行いました。

その結果

運動後の血液に触れたがん細胞では

・DNAの損傷が増加

・DNA修復反応が活性化

することが確認されました。

つまり

運動によって血液中に増えた成分が
がん細胞の働きに影響する可能性が示されたのです。

運動は遺伝子レベルにも影響

さらに解析すると
運動後の血液に触れた細胞では

1364個の遺伝子の働きが変化していました。

特に変化していたのは

・細胞増殖を抑える遺伝子

・ミトコンドリア機能を高める遺伝子

・DNA修復に関わる遺伝子

などです。

つまり運動は

血液を介して細胞や遺伝子レベルにも影響する可能性があります。

強い運動で「マイオカイン」が分泌される

全力に近い運動をすると

筋肉から

マイオカイン(運動で分泌される生理活性物質)

が多く分泌されます。

これは

・免疫

・代謝

・炎症

・細胞機能

などに影響すると考えられています。

この物質は

・軽い散歩

・ゆっくりした運動

ではあまり増えないとされています。

まとめ

この研究から示唆されることは

・長時間の運動だけが健康効果を生むわけではない

・10分程度の高強度運動でも体内に変化が起こる可能性がある

という点です。

運動は

・体重を減らすだけでなく

・血液成分

・免疫

・細胞機能

などに影響する可能性があります。

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