これまで
・「低脂肪を選びましょう」
・「脂肪は心血管疾患の原因になる」
と言われてきましたが、最新研究では見直しの必要性が示されています。
■ 研究の概要
掲載誌
米国神経学会の学術誌 American Academy of Neurology 発行の
Neurology
研究機関
スウェーデンの Lund University
研究デザイン
・約27,000人
・44〜74歳
・25年間追跡
・詳細な食事記録+面接調査
・追跡中に3,208人が認知症を発症
非常に精密な食事データを使った大規模研究です。
■ 主な結果
🧀 高脂肪チーズ(脂肪20%以上)
・1日54g以上摂取するグループは
→ 認知症リスク13%低下
・特に血管性認知症は
→ 29%低下
🥛 高脂肪クリーム(脂肪30〜40%)
・1日約21g摂取
→ 認知症リスク16%低下
❌ 関連が見られなかったもの
・低脂肪チーズ
・牛乳
・バター
・ヨーグルト
・ケフィア
👉 「乳製品なら何でも良い」わけではなく、フルファットのチーズとクリームが特徴的
■ なぜ高脂肪乳製品が脳に良いのか?(4つのメカニズム)
① 乳脂肪球膜(MFGM)
・乳脂肪は特殊な膜に包まれている
・神経伝達を助け、脳の炎症を抑える可能性
・低脂肪製品では失われやすい
② 特殊な脂肪酸(奇数鎖脂肪酸)
・ペンタデカン酸(C15:0)
・ヘプタデカン酸(C17:0)
・体内ではほとんど作られない脂肪酸
・心血管・代謝疾患リスク低下との関連あり
・脳血管保護の可能性
③ ビタミンK2
・チーズの発酵で増える
・血管の石灰化を防ぐ
・血管性認知症の予防に関与の可能性
④ 「食品マトリクス効果」
・栄養素を単体で摂るより
・食品そのままの構造で摂る方が効果的
👉 「脂肪が悪い」のではなく
👉 「どの食品から摂るか」が重要
■ アルツハイマー病との関係
・APOE4を持たない人ではリスク低下が明確
・APOE4保有者では効果は弱い
ただし、APOE4保有者は少数派のため
多くの人にとっては保護効果の可能性あり。
■ 重要な注意点
⚠ これは観察研究
→ 「チーズを食べれば認知症が防げる」と証明したわけではない
可能性として:
・チーズを食べる人は生活習慣が良い
・ワインなど他の食習慣の影響
・低脂肪の代わりに糖質を増やしている可能性
■ 日本人への適用は?
・スウェーデンではナチュラルチーズ中心
・日本や米国では加工チーズが多い
・加工肉や精製炭水化物と一緒に摂るケースも多い
👉 「何と一緒に食べるか」も重要
■ 実践的なポイント
✅ 「低脂肪」にこだわりすぎない
✅ 加工度の低いナチュラルチーズを選ぶ
例:
・チェダー
・ゴーダ
・カマンベール
✅ 植物性フレッシュ(トランス脂肪酸入り)より本物の生クリーム
✅ 脳は約60%が脂質 → “脂の質”が重要
■ 結論
これから大事なのは
「脂肪を減らすこと」ではなく
「質の良い脂肪を選ぶこと」
高脂肪乳製品は、
心臓や脳に悪いどころか、
条件次第では保護的に働く可能性がある。