・近年、免疫チェックポイント阻害薬は一部のがん(例:肺がん)で高い効果を示しています。
・しかし 大腸がんの多くでは効果が弱い ことが分かっています。
・その理由の一つは、がんを攻撃する CD8陽性T細胞(免疫細胞) が
・がん内部に入り込めない
・がんの周囲で止められてしまう
という点です。
このような免疫が働きにくいがんは
👉 「コールド腫瘍(冷たいがん)」 と呼ばれます。
逆に、免疫細胞がしっかり入り込めるがんは
👉 「ホット腫瘍(熱いがん)」 と呼ばれ、免疫治療が効きやすくなります。
■ 今回の発見
研究チームは、がんの周囲の組織を詳しく調べた結果、
🧬 THBS2(トロンボスポンジン2) というタンパク質
が大量に存在していることを発見しました。
このTHBS2は、
・がんの周囲で“壁”のように働き
・免疫細胞(CD8陽性T細胞)ががん内部へ侵入するのを妨げている
ことが分かりました。
■ マウス実験の結果
THBS2を遺伝子的に除去したマウスで実験したところ:
・免疫細胞ががん内部に多く侵入
・がんの成長が抑えられた
・免疫治療の効果も高まった
つまり、
👉 THBS2が免疫の邪魔をしている“バリア”だった可能性 が示されました。
■ 今後の期待
もし将来、
・THBS2を阻害する薬が開発できれば
・大腸がんを「コールド腫瘍」から「ホット腫瘍」に変えられる可能性があります
・免疫治療の効果向上が期待できます
■ ただし注意点
・まだ動物実験段階
・人に有効か・安全かは未確認
・THBS2以外にも治療を邪魔する因子がある可能性