1.乳がんの現状
・日本では毎年約9万4千人が乳がんと診断されている。
・女性がかかるがんの中で最も多く、年々増加傾向にある。
2.がんの原因と代謝
・以前は「遺伝子の突然変異が原因」と考えられていたが、すべてのがんが遺伝子だけで説明できるわけではない。
・がん細胞の特徴として、ブドウ糖(砂糖)を大量に消費することがある(ワールブルグ効果)。
・そのため「砂糖を控えるとがんに良いのでは?」という考え方が出てきている。
3.食事と乳がんの関係
・不健康な食事(加工食品や砂糖入り飲料など)は乳がんのリスクを高める。
・野菜・果物・大豆食品を多く摂る人はリスクが低く、赤身肉・加工肉を少なくすることも予防に有効。
・牛乳やヨーグルトはリスクがやや高くなる場合があるが、チーズはリスク低下の可能性がある。
・地中海式の食事(炎症を抑える食事)も乳がんのリスク低下に効果的。
4.ケトジェニックダイエット(低糖質・高脂肪食)
・糖質をほとんど摂らず、脂肪を中心に栄養を取る食事法。
・基礎研究では乳がん細胞の増殖抑制や抗がん剤の効果向上が期待される。
・ただし臨床試験はまだ進行中で、安全性や有効性は確定していない。
・甲状腺や肝臓に問題がある人、妊娠中の人、過度な制限でストレスになる人には向かない。
5.乳がん予防・治療で大切なこと
・食事だけで極端なことをするより、健康的なライフスタイルを整える方が重要。
・加工食品や砂糖の過剰摂取を控える、良質な油を使う、運動・筋肉量の維持、ストレス管理などが効果的。
・短期間の糖質制限は試す価値があるが、長期実施は慎重に。