夜間頻尿を薬に頼らず改善する方法

2025年12月15日 11:56
カテゴリ: 泌尿器系

夜間頻尿の主な原因(2つのメカニズム)
メカニズム①:体内に水分が溜まっている

・夜に出るはずの抗利尿ホルモン(ADH/バソプレシン)が十分に働かない

・その結果、夜間も尿が多く作られる

※心臓・腎臓・肝臓の病気がある場合は医師の診察が必要

メカニズム②:膀胱が硬くなっている(加齢・老化)

・加齢により膀胱の弾力が低下

・少量の尿でも刺激され、尿意を感じやすくなる

「膀胱が十分に広がれない状態」

薬をなるべく使わずに改善する生活習慣【9つの方法】
① 夕方に足のむくみを取る

・日中、足に溜まった水分が夜に体の上へ戻り尿になる

・夕方に

 ・足を心臓より高く上げる

 ・足首・ふくらはぎを動かす

・寝る前に尿として出しておく

② 体を温める

・寒さは尿意を強める

・就寝1~1.5時間前に

 ・40℃前後のお湯で15分程度入浴

・入浴後~就寝まで体を冷やさない

・夜の室温・寝具にも配慮

③ 水分摂取にメリハリをつける

・水分制限はNG(腎臓に悪影響)

・昼間はしっかり、夜は控えめ

・夜1~2回の排尿は正常で健康的

・排尿後は少量の水分補給はOK

④ 塩分を控える

・塩分過多 → 体に水分が溜まりやすい

・塩分を減らすだけで

 ・夜間頻尿の回数が約半分になったという報告あり

・血圧・腎臓・心臓の健康にも有益

⑤ 利尿作用のあるものを夕方以降避ける

・カフェイン(コーヒー・緑茶)

・アルコール

・利尿薬(高血圧薬など)

方法⑥:膀胱を刺激する食べ物を避ける

膀胱を刺激すると尿意が強くなります。特に夕方以降は注意。

・辛いもの(香辛料)

・酸味の強いもの(柑橘類など)

・炭酸飲料

・アルコール(特にビール)

※アルコールは「利尿作用+炭酸+膀胱刺激」の三重苦
→ 夜間頻尿がある場合は、まず控えることが重要

方法⑦:膀胱トレーニング

硬くなった膀胱を少しずつ伸びやすくする訓練。

やり方

・尿意を感じたら、少しだけ我慢する

・我慢しすぎない(腎臓に負担をかけない)

・目安:2~3時間に1回排尿

・「一度我慢してから排尿」を習慣にする

効果

・膀胱の柔軟性が回復

・夜間、尿意ですぐ起きてしまう感覚が軽減

方法⑧:骨盤底筋トレーニング

尿を我慢する力を高め、急な尿意を抑える訓練。

骨盤底筋とは

・尿や便を「キュッと止める」筋肉

・尿漏れ予防にも効果的(特に女性)

トレーニング方法

・尿を途中で止める感覚で筋肉を締める

・5~10秒キープ → ゆっくり緩める

・1日数回繰り返す

※便が溜まっている時は行わない(便秘予防のため)

方法⑨:かぼちゃの種と大豆を摂る

過活動膀胱・夜間頻尿に効果が報告されている食品。

・対象:女性120人

・方法:かぼちゃの種エキス+大豆胚芽抽出物を12週間摂取

・結果:
 ・尿意切迫感
 ・頻尿
 ・夜間頻尿
 → すべてで有意な改善

※即効性はなく、3か月程度の継続が必要

夜間頻尿改善の本質

夜間頻尿は「その場しのぎ」ではなく、

・食事

・運動

・睡眠

・心の健康

・毒(不要な刺激・負担)を避ける生活

といった体質改善の結果として良くなるものです。

これらを続けることで

・ホルモンバランス

・自律神経

・老化スピード(=膀胱の硬さ)

が整い、
夜間頻尿だけでなく、全身の若返り・健康長寿につながる
という考え方が示されています。

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