夜間頻尿の主な原因(2つのメカニズム)
メカニズム①:体内に水分が溜まっている
・夜に出るはずの抗利尿ホルモン(ADH/バソプレシン)が十分に働かない
・その結果、夜間も尿が多く作られる
※心臓・腎臓・肝臓の病気がある場合は医師の診察が必要
メカニズム②:膀胱が硬くなっている(加齢・老化)
・加齢により膀胱の弾力が低下
・少量の尿でも刺激され、尿意を感じやすくなる
「膀胱が十分に広がれない状態」
薬をなるべく使わずに改善する生活習慣【9つの方法】
① 夕方に足のむくみを取る
・日中、足に溜まった水分が夜に体の上へ戻り尿になる
・夕方に
・足を心臓より高く上げる
・足首・ふくらはぎを動かす
・寝る前に尿として出しておく
② 体を温める
・寒さは尿意を強める
・就寝1~1.5時間前に
・40℃前後のお湯で15分程度入浴
・入浴後~就寝まで体を冷やさない
・夜の室温・寝具にも配慮
③ 水分摂取にメリハリをつける
・水分制限はNG(腎臓に悪影響)
・昼間はしっかり、夜は控えめ
・夜1~2回の排尿は正常で健康的
・排尿後は少量の水分補給はOK
④ 塩分を控える
・塩分過多 → 体に水分が溜まりやすい
・塩分を減らすだけで
・夜間頻尿の回数が約半分になったという報告あり
・血圧・腎臓・心臓の健康にも有益
⑤ 利尿作用のあるものを夕方以降避ける
・カフェイン(コーヒー・緑茶)
・アルコール
・利尿薬(高血圧薬など)
方法⑥:膀胱を刺激する食べ物を避ける
膀胱を刺激すると尿意が強くなります。特に夕方以降は注意。
・辛いもの(香辛料)
・酸味の強いもの(柑橘類など)
・炭酸飲料
・アルコール(特にビール)
※アルコールは「利尿作用+炭酸+膀胱刺激」の三重苦
→ 夜間頻尿がある場合は、まず控えることが重要
方法⑦:膀胱トレーニング
硬くなった膀胱を少しずつ伸びやすくする訓練。
やり方
・尿意を感じたら、少しだけ我慢する
・我慢しすぎない(腎臓に負担をかけない)
・目安:2~3時間に1回排尿
・「一度我慢してから排尿」を習慣にする
効果
・膀胱の柔軟性が回復
・夜間、尿意ですぐ起きてしまう感覚が軽減
方法⑧:骨盤底筋トレーニング
尿を我慢する力を高め、急な尿意を抑える訓練。
骨盤底筋とは
・尿や便を「キュッと止める」筋肉
・尿漏れ予防にも効果的(特に女性)
トレーニング方法
・尿を途中で止める感覚で筋肉を締める
・5~10秒キープ → ゆっくり緩める
・1日数回繰り返す
※便が溜まっている時は行わない(便秘予防のため)
方法⑨:かぼちゃの種と大豆を摂る
過活動膀胱・夜間頻尿に効果が報告されている食品。
・対象:女性120人
・方法:かぼちゃの種エキス+大豆胚芽抽出物を12週間摂取
・結果:
・尿意切迫感
・頻尿
・夜間頻尿
→ すべてで有意な改善
※即効性はなく、3か月程度の継続が必要
夜間頻尿改善の本質
夜間頻尿は「その場しのぎ」ではなく、
・食事
・運動
・睡眠
・心の健康
・毒(不要な刺激・負担)を避ける生活
といった体質改善の結果として良くなるものです。
これらを続けることで
・ホルモンバランス
・自律神経
・老化スピード(=膀胱の硬さ)
が整い、
夜間頻尿だけでなく、全身の若返り・健康長寿につながる
という考え方が示されています。