自己免疫疾患と腸内細菌、特に関節リウマチとの関係

2025年09月15日 14:59
カテゴリ: 免疫・感染症

◆ 関節リウマチとは?

・自己免疫疾患の一種で、免疫が自身の関節(特に手や膝)を攻撃。

・日本では約60万~100万人(人口の約1%)、発症は60代が多い。

・時間とともに関節の変形や痛みが進行する。

・自己抗体(自分の体に反応する抗体)は発症前から血液中に存在している。

◆ 発症の原因

・遺伝や環境因子(喫煙、食事内容など)が関係。

・特に「腸内細菌」のバランスが崩れると、関節リウマチの発症リスクが高まる。

◆ 注目されている腸内細菌:プレボテラ・コプリ(Prevotella copri)

・関節リウマチの人は、この菌が腸内で増加していることが多い。

・発症前から、この菌に対する抗体が血中で確認されている。

・通常は善玉菌的な働きをするが、腸内環境や食生活によって悪影響を及ぼす可能性がある。

◆ 食事と腸内環境の改善

・腸内環境の悪化は、他の自己免疫疾患(橋本病、SLE、シェーグレン症候群など)とも関係。

・地中海食(野菜・豆類・魚・オリーブオイル中心の食事)が関節リウマチの進行を抑える効果あり。

・和食(日本食)も、腸内環境を整えるには有効。特に動物性脂質やたんぱく質を控えるとよい。

・単に食物繊維を摂るだけでは不十分で、食全体のバランスが重要。

◆ 予防・進行抑制のカギ

・プレボテラ・コプリの増加を抑える食生活。

・腸内環境を整えることが、リウマチをはじめとする自己免疫疾患の予防・改善につながる可能性。

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