1. 過去の宣伝と問題点
・ザクロは「心臓病やがんに効く」「若返りに効果あり」と過剰に宣伝された。
・アメリカのザクロジュース会社が効果を強調しすぎたため、連邦取引委員会から課題広告とされ、裁判で規制された。
・効果を主張するにはランダム化比較試験(RCT)など科学的根拠が必要。
■ 実際の科学的検証と効果の有無
◎ 効果が不十分・否定されたもの
・ダイエット効果:人において体重や体脂肪率に変化なし。
・心血管系への効果:コレステロール・血圧・動脈硬化などへの明確な改善なし。
・勃起不全(ED):RCTでプラセボとの差なし。
・血糖値:改善に関する明確なデータなし。
・COPD(慢性閉塞性肺疾患):5週間の摂取でも効果見られず。
■ 期待される可能性のある効果
◎ 慢性炎症の抑制
・炎症マーカー(CRPやインターロイキン6)がザクロ摂取により低下。
・慢性炎症に関わる病気の予防に役立つ可能性あり。
◎ 関節リウマチの改善
・関節の腫れ・痛みが軽減されたという臨床研究あり。
・動物実験でも軟骨の破壊が抑えられたというデータがある。
■ 最新の注目ポイント:ミトコンドリアとの関係
・ザクロに含まれるエラグ酸やエラジタンニンが腸内細菌によってウロリチンAに変化。
・ウロリチンAはミトコンドリアを再活性化し、筋力や細胞のエネルギー産生を改善。
・高齢者の筋機能改善やアンチエイジング効果も期待されている。
■ 実際の摂取方法と注意点
・サプリメントは成分にばらつきがあり、13/19製品が有効成分なしとの調査結果も。
・100%ザクロジュースやザクロ酢(飲料)での摂取が推奨される。
・入手は難しいが、食品としての摂取が安全かつ効果的。
■ 結論
・ザクロは「何にでも効くスーパーフード」ではない。
・ただし、慢性炎症の抑制や関節への効果、ミトコンドリア活性化など、一部に有望な可能性がある。
・科学的根拠に基づいて、適量を日常的に取り入れるのが良い。