痛みと運動の関係について

2025年06月21日 14:50

◆ 痛みがある時、安静は本当に正しいのか?
・急性のケガ(捻挫、ぎっくり腰など)は、初期に安静が必要。動くと悪化することも。

・しかし、慢性痛(腰痛、膝痛、肩こりなど)には、安静よりも運動が有効な場合が多い。

◆ 慢性痛に運動が効果的な理由
・最新研究(2024年・サンアントニオ乳がんシンポジウム)によると:

 ・運動を続けた患者は、痛み・疲労・息切れなどが改善。

 ・特に「運動誘発性鎮痛」と呼ばれる、運動による自然な鎮痛効果が大きい。

◆ 痛みをやわらげる運動のメカニズム(3つの主な効果)
1.中枢神経系への作用

 ・運動後に「内因性オピオイド」や「セロトニン」「エンドカンナビノイド」など、脳内で鎮痛物質が増える。

2.免疫系の働き

 ・運動で免疫細胞(ミクログリア・アストロサイト)が炎症を抑える方向に働く。

3.神経細胞への直接作用

 ・傷ついた神経が再生時にできる「スプラウティング(過敏な神経突起の発生)」が、運動によって抑制される。

◆ その他の要因
・運動でホルモンバランスが変わり、レプチン減少・アディポネクチン増加 → 痛みを感じにくく。

・肥満状態は慢性痛を悪化させるため、体重管理も重要。

◆ 結論
・慢性痛がある人ほど、適度な運動が必要。

・運動によって、体が自然に「痛みを改善しようとする」メカニズムが働く。

・ただし、無理な運動は逆効果なので、痛みの程度に応じた調整が必要。

◆ メッセージ
「少しの痛みがある時でも、可能な範囲で体を動かすことが、結果的に痛みの改善につながる。慢性的な痛みを抱えている人は“運動するべきでは?”と一度立ち止まって考えてみてください。」

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