「がんと免疫療法の関係」

2025年05月20日 12:42

🔷1. がんの基本的な特徴と問題点
● がんとは何か
がんとは、正常な細胞が異常に変化し、制御不能に増殖する病気です。

・正常な細胞の機能を奪い、臓器の働きを低下させます。
 例:
 ・肝臓がん → 肝機能の低下
 ・肺がん → 呼吸困難

・転移(てんい)という性質があり、他の部位に広がります。
 例:肝臓のがんが脳や骨に転移すると、命に関わる深刻な障害が起きることがあります。

🔷2. がん細胞と免疫の関係
● 免疫の役割
免疫は、体内の異常細胞や外敵(ウイルス・細菌)を排除する防御システムです。
本来、がん細胞も免疫によって排除されるべき対象です。

● がん細胞の“賢い逃げ方”
がん細胞は以下のように、免疫の監視を巧妙にすり抜けます:

1.免疫細胞を弱らせる物質を放出する

2.免疫の攻撃から身を守るバリア(防御)を張る

3.「自分は身体の一部(仲間)だ」と偽装する

これらの性質により、がん細胞は免疫からの攻撃を回避し、体内で増殖してしまいます。

🔷3. がんに負けやすい人の体の特徴
❶ 筋肉が少ない人(サルコペニア)
・筋肉は免疫を支える重要な器官。

・筋肉量が少ないと、免疫細胞の働きが弱まります。
→ 運動や筋トレで筋肉量を維持・増加することが重要です。

❷ 肥満の人
・肥満は免疫機能を低下させます。

・T細胞やNK細胞などの免疫細胞の活動が鈍くなり、感染症やがんに弱くなります。

❸ 栄養不良の人
・栄養状態が悪いと免疫力も大幅に低下します。

・がん患者で食欲がない場合でも、点滴などでの栄養補給が必要です。

❹ 腸内環境が悪い人
・腸内細菌のバランスが崩れると免疫機能も低下します。
→ 食物繊維・発酵食品・十分な水分をとり、腸内環境を整えることが大切です。

🔷4. 免疫力を高めるための生活習慣
✅ 食生活
・バランスの良い食事が基本。
 例:肉・魚・野菜・糖質・ビタミン・ミネラルなどを偏りなく摂取

・食物繊維や発酵食品も意識して取り入れること。

✅ 適度な運動
・有酸素運動 + 筋トレで免疫力が向上します。
 例:1回30分程度の運動を週5日が理想的。

✅ 睡眠
・質の良い睡眠を毎日7〜8時間とること。

・寝る前のスマホ閲覧は避けましょう(脳が興奮して眠りが浅くなるため)。

✅ ストレス管理
・ストレスは免疫機能を著しく下げます。

・解消法:深呼吸・ヨガ・散歩・趣味・人との会話など

・特に高齢者は「孤独」がストレスや認知症の要因になるため、人とのつながりが重要。

✅ ビタミンDの摂取
・ビタミンDが不足すると、がんリスクが高まります。
→ 日光浴や、魚・卵・きのこ類などで補いましょう。

✅ 禁煙・節酒
・喫煙はがんのリスクを確実に高めるため、完全にやめるべきです。

・飲酒は過度でなければ許容されますが、量と頻度に注意しましょう。

✅ 規則正しい生活
・起床・就寝・食事・運動の時間を一定に保つことで、体にストレスがかかりにくくなります。

✅ 清潔な生活とポジティブ思考
・入浴・身の回りの清潔さは精神衛生にも良い影響を与えます。

・明るく・楽しく・前向きに生きることが、免疫を高め、病気予防にもつながります。

✅ 生活改善のヒント
・がん予防・治療のカギは特別なことではなく、日常の小さな習慣の積み重ねです。

・誰でも始められる生活の見直しこそが、健康を守る最大の武器になります。

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