🦠 敗血症の現状と基礎知識

2025年05月17日 12:42

● 敗血症とは?
「敗血症」は単に血液中に菌が存在する「菌血症」とは異なります。

敗血症とは、感染症をきっかけに免疫が過剰反応し、全身に炎症が広がって臓器障害を引き起こす状態を指します。

炎症が制御できなくなると、多臓器不全 → ショック → 死亡に至る可能性があります。

📈 敗血症の増加
・2010年から2017年にかけて、患者数は約10万人 → 36万人へと増加。

・入院患者に占める割合も、3% → 5%に上昇。

・敗血症による死亡者数も約2.3倍に増えています。

・著名人が敗血症で亡くなるケースも報道され、社会的関心が高まっています。

🧠 敗血症の5つの主な症状
1.呼吸が速くなる(1分間に22回以上)
→ 代謝性アシドーシスを補うための兆候。感染症に加えてこの症状がある場合、重症の可能性があります。

2.意識の変化(低下)
→ ぼんやりしている、反応が鈍いなど。中枢神経系への影響が疑われます。

3.発熱または低体温
→ 異常な体温変化は、免疫や体温調整機能の破綻のサイン。特に低体温は重症の可能性が高いです。

4.尿量の減少
→ 腎機能の低下やショック状態を示します。尿量が1日100ml以下は危険。

5.血圧の低下
→ 上の血圧が100mmHg以下は注意。薬で平均血圧を65mmHg以上に保つ必要がある場合、敗血症性ショックと診断されます。

🧪 臓器障害と検査所見
・血液検査で見られる異常の例:

・ビリルビンの上昇: 肝障害の可能性

・クレアチニンの上昇: 腎機能の低下

・血小板の減少: 播種性血管内凝固(DIC)の兆候

・乳酸値の上昇: 組織への酸素供給不足を示唆

👥 敗血症になりやすい人(ハイリスク群)
特に注意が必要な人:

・高齢者(65歳以上)

・乳幼児(特に1歳未満)

・持病のある人(糖尿病、肥満、がん、自己免疫疾患など)

・免疫抑制薬(ステロイド、抗がん剤など)を使用している人

・ICU(集中治療室)に入るような重症者

・栄養状態が悪い、または著しく体力が低下している人

🛡️ 敗血症の予防方法
免疫力を保つ生活習慣
・食事: ビタミン、ミネラル、タンパク質を含むバランスの良い食事

・運動: 有酸素運動+筋トレで体力維持

・睡眠: 質の良い十分な睡眠

✅ まとめ
敗血症は、感染症を引き金とした免疫の暴走により、命に関わる深刻な状態に至ることがあります。

発症数・死亡者数は年々増加しており、高齢者や基礎疾患を持つ人は特に注意が必要です。

呼吸、意識、体温、尿、血圧などの変化に気づいたら、早急に医療機関を受診しましょう。

また、日頃から免疫力の維持を意識した生活を心がけることが大切です。

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