小麦やグルテンとの付き合い方について:
・全員にとって小麦が悪いわけではないが、特定の体質の人には悪影響があるため、自分で影響を見極める必要があります。
・グルテンは小麦だけでなく大麦やライ麦にも含まれ、「グリアジン」「グルテニン」などのタンパク質が水と反応して独特の食感(モチモチ感)を作ります。
グルテンの健康への影響:
・一部の人はグルテンに敏感で、腸のバリア機能(タイトジャンクション)を壊す「リーキーガット症候群」を引き起こす可能性がある。
・リーキーガットになると毒素や未消化物が血中に入り、炎症、自己免疫疾患、栄養吸収障害、さらには脳への影響まで起きるリスクがある。
小麦の依存性と中毒性:
・グルテンの分解で生まれる「グリアドルフィン」は、モルヒネに似た作用(オピオイド)を持ち、脳内で快楽物質ドパミンを放出させ、依存を引き起こす可能性がある。
・乳製品も同様にオピオイド様ペプチドを含み、やめにくい要因になっている。
発達障害との関連仮説:
・グルテンやカゼイン(乳製品)が分解されずに体内に吸収され、脳内の神経系に影響を与える可能性があり、自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害と関係があるとする仮説もある(科学的には議論あり)。
小麦による主な症状例:
・腸:下痢、便秘、腹痛、栄養吸収障害
・皮膚:湿疹、肌荒れ、かゆみ
・精神・神経:集中力低下、ブレインフォグ、気分の起伏、中毒症状
・疲労感や検体感、貧血のような症状も
対策と考え方:
・原因はグルテンだけでなく、ストレス、甘味料、添加物、薬剤なども腸を悪化させる。
・自分の体がどう反応するかを試し、小麦・乳製品を一時的(2~4週間)にやめてみることで体調改善を確認する方法が有効。
・栄養はただ補うだけでなく、なぜ欠乏しているのかを考えることが重要。
・子どもは腸が未発達なため消化器症状が出やすく、大人は不定愁訴(だるさ、集中力低下)が出やすい。
※「小麦=悪」ではなく、個人差を見極めながら、腸の健康を意識して摂取量を調整しましょう